【6世代トリプル】役割集中・確率(限界霰)【第二回ひまたた杯・第三回影踏みオフ参加構築】
「ダブル吹雪は20%の確率で相手が機能停止するから強い」?
トリプル吹雪なら30%で凍るからもっと強いな???
構築の経緯
7世代ダブルで「限界霰」なる構築があります。
凍結狙いの吹雪や、雪隠れなど、リターンの大きい確率を持つ行動を1試合中に何度も試行することにより、1試合中に1度以上の期待値を持って発動させることを狙った構築です。
より分かりやすく表現すると、「確率20%は1試合で必ず発動する」ということです。
ennuinoon.hateblo.jp(おすすめのブログです。後で読んでみてください!)
運要素を嫌うプレイヤーも多いと思いますが、負ける直前に選択される絶対零度や凍結狙いの冷凍ビームで試合をひっくり返されるのが嫌い、というイメージだと思います。
この構築の場合、例えば有利対面から展開する「いばみがクレッフィ」に近いです。
(実際にはこれも嫌いな方が多いと思いますが、少しでも興味を持てるよう、解説していきます)
いばみがクレッフィについて
対戦相手から見れば、初手から威張るを押してくる、最初から思考を放棄しているポケモンのように見えるでしょう。
(他にまともな行動を持たず、どんな状況でも運要素に頼らざるを得ないので、思考停止しているように見えがちです)
しかし、基本的には有利対面から展開され、
数ターン継続する混乱ターンの中で、確率50%の自傷が一度でも発生すれば十分 と、
実際の期待値は高く、十分戦法として成立するシステムになっています。
クレッフィが落とされても混乱ターンが持続するため、
「裏にいるグライオンが継続して起点化を狙うことができる」
「メタモンの抜き性能を高めつつ同速対決を有利にする」
など、構築単位で色々カバーされていることが多いです。
ダブル、トリプルバトルの場合も同様で、怯みや凍結などは致命的な行動不能になるため、一度でも発生すれば一気に有利に持ち込める可能性が高いです。
確率的に一度の発動は十分狙えるようにしたうえで、十分大量に仕込んだうちのどれか一つが発生するだけでも十分有利に持ち込めるように構築しました。
採用理由など
まず、通常の戦い方の上で追加効果を狙っていく必要があり、雪隠れと凍結狙いのできる霰パが最も理にかなっていると考え、ユキノオー、グレイシアを採用しました。
ユキノオーがメガシンカするかどうか、トリパにするかどうかは現時点では未定です。
次に、行動回数をできるだけ稼ぎたいため、S操作に頼らず吹雪を打っていけるポケモンが欲しいと考えました。
一致で吹雪を打てるポケモンの中から、一番早いゲッコウガを採用しました。
現時点で吹雪が打てるポケモンが3匹となり、高速吹雪/雪隠れ吹雪の両者を採用することができたため、吹雪を連打するパーティパワーは十分確保できたと判断しました。
ここから先は弱点のカバーを意識します。
氷タイプ共通の弱点として、炎タイプや格闘タイプが死ぬほど嫌なので、それに対する耐性と遂行力が持てるポケモンが欲しいです。
特に、炎タイプの天候の上書きや、格闘タイプはワイドガードなど、弱点を突かれる以上の戦いにくさを持ち合わせているので、できるだけ遂行力を高めておきたいです。
そこで、炎・格闘耐性を持ち、ワイドガードを気にせず格闘タイプを殴れ、炎タイプを岩雪崩で攻略できるメガボーマンダを採用しました。
残り2枠で対策したい相手
鋼タイプ:
岩雪崩・ニンフィア:
ドーブル:
これらを対策するために、ドーブルとズルズキンを採用しました。
なんか似てますね、かわいいですね
詳しくは後述
パーティ紹介
夏に嬉しい涼しさをプレゼント
相手の肝を冷やせ
ユキノオー
控えめ HC振り
特性:雪降らし 持ち物:先制の爪
吹雪/エナジーボール/草笛/守る
役割...霰始動+他天候メタ/メインアタッカー/凍結狙い
雪降らし要員として採用。同じく雪降らしにはアマルルガも存在しますが、メガボーマンダが雨パーティの冷凍ビームに弱いため、これらに強く出れるユキノオーを選択しました。
最初はCS振りの襷持ちで採用していましたが、範囲技が飛び交う環境から、あまり役に立っておらず、HPに振れば十分耐えられそうに感じました。
また、S振りで抜ける相手もほとんどいないように感じたため、HC振りにしました。
持ち物は悩みましたが、先制のツメを持たせることにしました。
ダブルバトル・トリプルバトルの先制の爪は、縛り関係を崩すことができるので強力です。
縛り関係について、簡単に解説します。
(例:こちらがボーマンダとユキノオー、相手がラティオスとリザードンの状況
vs
素早さ順は、ボーマンダ、ラティオス、リザードン、ユキノオーの順
ユキノオーの攻撃によりラティオスを倒すことができるが、ラティオスはボーマンダを倒すことができる。
ボーマンダはラティオスに倒されるものの、ユキノオーを守るためにはリザードンを倒す必要があり、行動せざるを得ない状況。
この状況で、普通に戦った場合は、
①ボーマンダがリザードンを倒し、②ラティオスがボーマンダを倒し、③ユキノオーがラティオスを倒す。となり、最後にユキノオーだけが残ります。)
ここで、ユキノオーの先制の爪が発動した場合
となり、ユキノオーもボーマンダもどちらもHP満タンを保つことができるのです。
もちろんユキノオーが縛られているときに強引に動かすような、先制の爪に頼ったプレイングはヤンキー行動になってしまいますが、
ユキノオーがフリーで動けるときに先制の爪を重ね、少しでも有利を広げる確率を高める
という狙いで、高く評価しています。
ちなみに、先制の爪は降参よりも先に発動する(!?)ので、降参を押したプレイヤーを最大限煽ることが可能です。
さすがに要らない仕様だと思います。
技構成について
吹雪・エナジーボールは役割遂行のために確定。弱点が多く、縛られることが多いので、守るも採用しました。
最終枠は、鋼タイプのギルガルドとヒードランが構築全体で重いため、それへの対策技が欲しいところでした。
攻撃技や絶対零度と悩みましたが、草笛を採用しました。
①攻撃技を採用した場合
ギルガルドはシャドーボール、ヒードランは気合玉で対策できますが、いずれか片方はフリーになります。
また、少し数は落ちますが、クチートには対策になっていません。
持ち物を命の珠にする必要もあり、あまり好ましくありません。
②絶対零度を採用した場合
タイプ相性を問わず、30%で突破することが可能です。
しかし、裏を返せば、70%で行動しないポケモンが手元にいる、ということにもなり、構築全体の負担も重くなります。
吹雪や岩雪崩、先制の爪や雪隠れなど、あくまで「真面目に戦いながらおこぼれが発生したらラッキー」という感覚で使用します。(試合は放棄しない)
しかし、絶対零度は文字通り試合を放棄し、運試しになってしまうため、この構築で狙っている運ゲーとは異なります。
いくらリターンが大きいとはいえ、試合を放棄するほどのリスクはないため、これの採用は見送りました。
別の理由としては、「ダークホール環境のため、ギルガルドやヒードランに身代わりを使われる可能性が高い」というものがあります。
身代わりを使われてしまった場合には、鋼タイプへの解答が無くなってしまいます。
さすがに身代わり人形を割るためだけに試合を放棄したくないので、これも相まって採用を見送りました。
③草笛を採用した場合
まず、身代わりを貫通できる音技であり、状況を問わずギルガルドやヒードランへの解答となっています。
確率的には55%とわずかながら動ける可能性のほうが高く、一度行動を止めさえすれば、しばらくは自身や隣の行動保証にもつながります。
倒してしまうとすぐに次のポケモンが出てきますが、行動不能であれば有利な状況が継続するのもポイントです。
「行動不能にさせれば置物にできる」「技を外したら置物になる」
の二つを考え、絶対零度よりは草笛のほうが優れていると考え、こちらを採用しました。
とはいえさすがに選択頻度は低く、基本的には押しません。
10%で爪草笛ができるので、ユキノオーが落とされてしまう直前に押しました。
グレイシア
控えめ HC振り
特性:雪隠れ 持ち物:拘り眼鏡
吹雪/寝言/なし/なし
役割...エースアタッカー/ダークホール対策枠
氷タイプのニンフィア。
眼鏡吹雪で鋼タイプを半分削る化け物。
範囲技が強いルールの為、採用しない理由がないレベルで強いです。
持ち物は、限られた行動回数を最も有効に活用するため、拘り眼鏡を持たせました。
耐久が高いので、守らなくても行動できます。あとかわします。
トリプルバトルはドーブルが非常に強いルールですが、ダークホールドーブル対策枠としては、グレイシア(含む霰パーティ)は特に強いと思います。
①霰のスリップダメージで襷を潰せる
②最も強い行動が吹雪を連打することであり、寝言が採用できる
③必中吹雪でムラっけによる回避上昇を無視できる
この辺りで、強いなと思っています。
寝言で吹雪を確定させるため、技は2つだけにしました。
ダークホールに対して後投げし、寝言で行動していくことが可能です。
(使用感)
正直全然かわしてくれなかったので、がっかりしています…が、その分他の吹雪や先制の爪の確率重ね掛けの下積みになっていると考えればよいでしょう。
寝言はめちゃくちゃ強かったです。というか偉い。
ゲッコウガ
無邪気 CS振り
特性:変幻自在 持ち物:拘りスカーフ
吹雪/岩雪崩/悪の波動/ハイドロポンプ
役割...高速アタッカー
早いポケモンは縛られにくく、相手を縛りに行きやすいため、採用しました。
氷タイプは上から岩雪崩されるのが厳しいため、岩雪崩を扱うスカーフランドロス
などをさらに上から縛れるようにしています。
また、炎タイプに対して岩雪崩を押したいので、両方の技を一致で扱えるゲッコウガが適任でした。
基本的には雪崩や吹雪を選択してしまうため、水技や悪の波動はあんまり使わないですが、悪の波動は相手のラス1を対角から殴ったりできます。
最近は数が減っていますが、ギルガルドへの打点としても便利です。
ボーマンダ
陽気 AS振り
捨て身タックル/岩雪崩/追い風/守る
役割...制圧/威嚇、追い風によるサポート
採用理由の通り、炎・格闘耐性を持ち、格闘タイプへの遂行と、リザードンの上から岩雪崩を打っていくのが仕事です。
物理型のボーマンダは扱いが難しいですが、ランドロスには氷タイプ、格闘タイプにはボーマンダと威嚇ポケモンの選出に圧力をかけられるため、この構築では行動の自由度が高かったです。
周りの打点とボーマンダ自身の火力が高いので、削れた鋼タイプを捨て身タックルで倒しに行ったり、威嚇が入ったままニンフィアを倒しに行ったりしていました。
捨て身タックルは守られやすいので、それを読んで岩雪崩を選択することで、吹雪との重ね掛けで行動不能を狙っていくこともできました。
ボーマンダは特殊型も多いおかげで岩雪崩は警戒されにくく、1匹倒しつつ怯みも狙う、みたいなことで相手のペースを乱しやすくて強かったです。
ズルズキン
意地っ張り HA振り
特性:威嚇 持ち物:ラムの実
猫騙し/けたぐり/叩き落とす/横取り
役割...威嚇・猫騙しによるサポート/対鋼への打点/ワイドガード、身代わり対策
ボーマンダはメガシンカで威嚇が消えてしまうので、もう一枚威嚇を入れたいと思っていました。
横取りを覚え、悪・格闘打点を持つズルズキンを採用しました。
格闘枠として、苦手な鋼タイプや砂パーティに有利に立ち回れます。
悪技も一致で扱うことができるので、格闘技の通らないギルガルドにも攻撃を通すことができ、安心感があります。
また、ラムの実を持たせてダークホールを受けながらドーブルを倒すこともできるので、安定して強かったです。
ズルズキンは猫騙し役としては遅いですが、横取りの優先度のおかげで猫騙しが間に合わない時も追い風が対策できるのが便利です。猫騙しの効かない精神力クロバットにも強いですね。
また、フェイントと比較した場合も、横取りでワイドガードの対策ができるほか、神秘の守りを奪えるので、フェイントよりはこちらが便利です。
霰のおかげで襷潰しの必要はなく、全体技が多いおかげで相手の守るもそこまで気にならない構築なので、横取りのほうが便利に感じました。
追い風も使用する構築なので、素早さは最遅を取らない意地っ張りにしましたが、これは最遅でよかった気がします。
ドーブル
図太い HB振り
特性:ムラっけ 持ち物:呑気のお香→カゴの実
役割...ワイドガード、トリックルームによるサポート/ダークホールによる制圧、対ドーブル
最強のドーブル。
構築単位でニンフィアや岩雪崩が重く、一番相手への影響力の高いワイドガード役として採用しました。
持ち物、努力値振りについて
まず、トリプルバトルのドーブルと言えば、拘りスカーフ、あるいは襷を持たせて行動保証を持たせ、ダークホールを打ちにいく型が一般的です。
しかし、この構築の場合、霰を展開するので気合の襷で耐えられない可能性が高いです。
また、スカーフでは猫騙しに弱く、ドーブル同士の同速対決で負けることもあるので安易に採用できません。
そこで、いっそのこと素早さに振るのを諦め、受けてから行動するドーブルを目指しました。
素早さが遅いので、猫騙しを受ける可能性が高く、そもそもこちらの猫騙しが無駄になる可能性が高いです。
猫騙しによるサポート力は落ちますが、猫+何かをドーブルに対して重ね掛けされやすいので周りは動かしやすく、ムラっけの試行回数を稼ぐこともできます。
威嚇が構築に2枚あるので、HB振りで相手のダメージ感覚を崩すこともよくあり、襷やスカーフなしでも動かしやすかったです。
カゴの実について
カゴの実のおかげで相手のダークホールを受けることができ、おはようしながら相手を寝かしに行くことができます。
構築に神秘の守りが不在ですが、ラムカゴ1匹ずつと寝言持ちがいるので、これで相手のダークホールを対策していました。
ひまたた杯も影踏みオフもBO1なので、行動1回分割いて万全な対策を行う必要はなく、1回限りの対策でも全員動かして全力で奇襲しに行けば十分強いです。
トリックルームについて
こちらの追い風役がメガボーマンダで、場持ちとしてはやや不安定の為、対追い風の切り返しが必要です。
普通に追い風を入れても良かったですが、ユキノオーとグレイシア、ズルズキンがそこそこトリパっぽい並びをしていたので、彼らを動かしやすくするためにトリックルームを入れました。
対追い風以外でも、対トリパでトリル解除することができたり、相手のスカーフ役を機能停止させたりと強かったです。
ドーブルの脆弱性からトリル自体が貼りにくいことについては、威嚇と努力値振りのおかげで解決できていました。
ダークホールは運良く素早さが上がった時や、トリックルームが通った後に打ちました。
ニンフィア、ギルガルドなどには初速で上からダークホールを通したいので、最遅にはしませんでした。
ダークホール、ニードルガードやワイドガードでムラっけのターンが稼ぎやすく、ドーブルが数ターン出ていると途中でゲームがバグります。
何だこのゲーム。
ダークホール最強。
残念ながら不採用となったポケモン
岩・鋼への遂行/ワイドガード/威嚇など
ワイドガードを覚える点では優秀で、ズルズキンと選択でしたが、悪打点でのギルガルドへの遂行ができず、この構築では不採用としました。
ワイドガード対策のフェイントが、相手の猫騙しで妨害されてしまう点もやや不都合です。
炎・岩・格闘への遂行/エース
炎・格闘タイプに強く、凍結やダクホの隙を見て腹太鼓で一掃しに行くことができるのは魅力でしたが、まずは吹雪エースを動かしやすくする必要があり、活躍する順序が逆で噛み合わないと判断しました。
マリルリは遅いので、マリルリが動く前に相手のポケモンが行動して吹雪エースが倒されてしまうのはよくないです。
格闘への遂行力、トリックルームやドーブルへの圧力、追い風への切り替えしなど
トリプルバトル最強のポケモンで、霰パーティがランドロスを抑制できることでも強さを発揮できると思いますが、メガボーマンダで見れない範囲をカバーできないので不採用としました。
ダークホールや凍結の隙を活かし、剣舞を用いた積みエースとしてはマリルリの代案ともなりますが、やはり活躍する順序が逆に感じます。
炎・岩タイプへの遂行、トリックルーム、呪われボディに巻き込ませることでの全体技耐性など
猫騙しが無効でトリックルームをすることができ、炎タイプへの耐性と遂行力を持つ。呪われボディでの運要素・吹雪をメインウェポンに搭載することができる、等多数。
不採用とした中では、正直一番強いと思います。ただ、岩雪崩やハイパーボイスなど、1回打たせてしまうこと自体が問題となる場合が多く、呪われボディでは追いつかないので不採用としました。
まとめ
戦績
ひまたた杯
チーム「たねポケモンの集い」にて、個人成績4勝2敗で予選通過
決勝トーナメントではぎんなんさんに負けて敗退
影踏みオフ
2勝2敗で予選通過※、決勝トーナメントではタケダさんに負けて敗退
影踏みオフは強い人が多数参加しており、予選の段階でかなり混戦していました。
全員2勝2敗で全すくみしましたが、構築単位で運に役割集中していたので、じゃんけんで強引に予選通過することができました(?)
霰パーティは一度使ってみたかったので、しっかり煮詰めることができて、そこそこの戦績は残せたかなと思います。
雪崩ボーマンダ、雪崩ゲッコウガ、寝言グレイシア、先制の爪ユキノオー、HBドーブルと、色々意表を突きながらも運を引き寄せる戦いができ、楽しかったです!
(今後のお話)
前回APPDATEに寄稿した「役割集中・耐」に引き続き、構築単位で方向性(前回は耐性、今回は確率)を持たせることで、構築としてまとめることができました。
マイナーポケモンの開拓はかなり難しいので、最近は戦術の開発からの構築作成に力を入れていましたが、次回は何をしようかなぁと思っています
技から構築を考える…トリックルーマーをひたすら育てて、色々なトリパを試してみる…とか?
要素は他にもいろいろあるので、着眼点を広げていきたいですね!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました (^∀゜)